こんにちは、ココです。
私は高校2年生のときに、アメリカに11ヵ月の留学をしました。
留学生活の中で、友達ができないとか、英語が分からないとか、よくある悩みをたくさん経験したのですが、22歳になった今思えば、「あれは私がHSPだから、あんなにしんどかったんだろうか」と思います。
「人1倍繊細」なHSPが海外で生活していく上で、どのような葛藤に直面しがちか、またそれを軽減させるためには、どうすればよいか。
私の経験や、読者さんから寄せられた話をもとに、紹介していきます。
*私は専門家ではありません。ここ何年かかけて本で学んだことや、私自身の経験、HSPの人と話して感じたことを書いていきます。
この記事で分かること
HSP(Highly Sensitive Person)とは、一般に繊細・神経質・内向的と言われる人たちが持つ「気質」です。
生まれ持ったものですが決して病気ではなく、世の中のタフな人とそうではない敏感な人とを2タイプに分けた、ただの概念に過ぎません。-HSP診断テストより
この記事を読んでいるほとんどの方は、ご自身にHSP気質があると思われている方だと思いますが、「HSPって何?」という方もいらっしゃるかもしれません。
こちらのサイトが分かりやすくてオススメです。
こちらでは「HSP診断」もできます。ネットでの診断はあくまで簡易的なものですが、他のサイトより質問項目が多く、丁寧に作られています。
私のHSPの特徴は、人が気にしない言葉や態度に対して、深く考えすぎ、イライラしたり、傷ついたりすることがあります。また音やにおい、痛みにも敏感です。
ブログや留学相談をしてますが、実は自分から何か直接言うのは苦手。
文字にすることで、「自分が本当に伝えたいこと」や「相手に誤解のないように伝える言葉」をじっくり考え、選ぶことができます。
同じHSPでも違いがあり、さらに細かく4つに分類されると言われています。
違いが微妙なので、もしかしたら「ここは当てはまるけど、これは違う・・・」と分からなくなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
「自分のことをもっとよく知るヒント」程度に考えればよいと思います。
自己分析を重ねた結果、私はHSS型HSE気質(刺激を求め、人が好きなHSP)が強いということが最近分かってきました。
HSP特有の、繊細な心や考えこむクセがある一方、色んなことを知りたがり、経験したがる人間です。
デメリットとしては、「やりたいことがいっぱいあるのに、あれこれ考えすぎてなかなか行動ができない」という矛盾に悩みがち。
「ブレーキとアクセルを同時に踏んでいる」という表現をよく見かけますが、まさにそれです。
そんな自分が嫌になってしまうことも多く、私もまだ自分との関わり方を模索中です。
「HSPは海外生活に向いてます」?
「HSP」と「海外」の関係は、ブログなどのテーマとして珍しくはなく、他の方が書かれた記事をいくつかチェックしてみました。
人によって色んな経験があるようで、「海外だとあれこれ気にせずに済んだ」「気持ちを伝えられた」「HSPに留学は向いている!」という方が何人もいらっしゃいました。
私の場合、「日本で考えすぎていた私」が、「海外で考えすぎずに楽しく過ごす私」になるのは、決して簡単なことではありませんでした。
当時はHSPのことすら知らず、「どうして自分はこう考えてしまうんだろう」「こんな自分大嫌いだ」という気持ちと常に戦っていました。
結果学びが多く、留学して本当に良かったと常々から思っていますが、しんどいことが多かったのも事実です。
だから私は、みなさんに「HSPこそ留学すべき!」「いいことがいっぱいあるよ!」とは言えません。
HSPと向き合う方法 in海外
だからと言って、「HSPは海外に行かない方がいい」「HSPなら留学しても辛いことばかり」というわけでも、全くありません。
自分の心の動きをきちんと理解し、心掛ければ、HSPと上手く付き合うことができると思います。
同じHSPでも感じ方・考え方は人それぞれなので、「楽しい」「きつい」と感じるポイントもそれぞれです。
今回は、「HSP(繊細な人)」の大きなくくりで、留学など海外での生活で悩みそうなこと、それに対する「心の重さ軽減ヒント」を考えます。
①「○○できない」→「焦らず、できることに目を向ける」◎
HSPの人は、自分の悪いところを見つけるのが得意な人が多いかもしれません。
- 「発言できない」
- 「友達ができない」
- 「環境に慣れない」
- 「会話を聞き取れない」
- 「ポジティブでいられない」
- 「早く課題を終わらせられない」
・・・などなど、私も自己否定をよくしていました。
HSPの人は、完璧主義な考えを持つ人が多いと言われています。
色々なことに意識を向けるからこそ、自分の足りない部分に気づき、「もっとこうしなきゃ」と思うからかもしれません。
しかし、「できないこと」と「できること」は、すぐ近くにあることがあります。
即興の発言は難しいけど、自分のペースで取り組める作文やレポートは、人一倍丁寧に作れる。
たくさんの友達はいないけど、数人の人と深く付き合える。
悩みがたくさんあるということは、もっとよりよい自分になる努力をしているということでもある。
色々なことを気にして苦しいときもあるけど、あなたの細かな気遣いや優しさに助けれている人も、必ずいる。
また私の経験では、「苦手→得意」になったことはほとんどなくても、「できない→頑張ればできる」ということはたくさんあります。
最初は「慣れない」「上手くできない」のは、ごく当たり前のこと。
上手くできない期間は、焦りやしんどさを感じる人もいると思いますが、自分のできる努力をただ続けてほしいです。
「できない」が「得意じゃないけどできる」に変わっていきますよ。
「焦らず得意を伸ばす」考え方
- 長所と短所はすぐ近くにある
- 上手くできないのは自分だけじゃない
- 自分だから上手くできることもある
②「語学の指摘・ミスが怖い」→「正解にこだわるのは自分だけ」◎
何か指摘されると「否定された」。
少しでも間違うと「失敗してしまった」。
私には、そのように物事を重く受け止めることがよくあります。
留学中のある日、どうしても課題が終わらず、夜遅くまでリビングで作業をしていたときのこと。
リビングに来たホストパパが私に声をかけました。「課題大丈夫かい?」
レポートのチェックを頼むことは滅多にしませんでしたが、その日は切羽詰まっていたので、パパに見てもらうことにしました。
「ここはこうじゃない」「こう書かなきゃ」「これは良くないね」。覚悟はしていましたが、弁護士の彼なので、ミスに容赦なく指摘してきます。
自分を否定された気持ちになり、焦り、悲しさと恥ずかしさでついに泣いてしまい、彼をオロオロさせてしまったという経験があります。
その後もあらゆるミスが自己否定に繋がり、「ミスが怖いから会話をしない」という最悪な状況を自分で作ってしまいました。
私がそこから抜け出したきっかけは、「誰も完璧・正解なんて求めてない」と気づいたときでした。
結局、「完璧でないといけない」「ミスは恥ずかしい」「指摘は否定と同じだ」「私は出来損ないだ」などと、自分を責めているのは自分だけでした。
現に、ホストパパはいつも私にこう言ってくれていました。「君は頑張り屋さんだね」「真面目に勉強していてすごいよ」「留学生のお手本だ」。
私の英語のミスを発見しても、彼はたったの1度も「英語ができないバカだ」などと思ったことはなかったはずなのです。頑張る私を、助けようとしてくれていただけです。
指摘されたことに対して、すぐに「そうなのか!新しいことが知れてラッキー!」「私を思って言ってくれて、ありがとう」とポジティブに捉えることは、私も今でも簡単ではありません。
しかし自分に何度でも言い聞かせ、考え方の歪みが徐々に改善されてきたと感じます。
「指摘・ミスをポジティブに受け止める」考え方
- 誰も自分を下に見ていない
- 自分のために言ってくれている
- 間違いを知らない方が恥ずかしい
- ミスにこだわるのは自分だけ
③「緊張・不安」→「身体と言葉の力を借りる」◎
私がアメリカの高校に行っていたとき、朝ベッドで起きた瞬間から、眠りにつくまで、常にしていたことがあります。「緊張」です。
「今日はテストだ・・・」
「明日はプレゼンの日だ・・・」
「あと10分でランチタイムだ・・・」
テストで失敗しないか、発表中に声が震えないか、ランチでぼっちにならないか。色んな不安がいつもありました。
緊張しない、心配しないということは、私にはできません。
なので、「緊張しないようにする」ではなく、「緊張してもちゃんとできる」ように心掛けました。
具体的には、緊張や不安感には「身体と言葉の力」が効きました。
- 「大丈夫、上手くいく、大丈夫」と口に出しながら、胸のあたりをトントンする
- 家を出る前に、鏡の前で(作り笑顔でも)ニコっとする
- 夜寝る前に、日記に「きっと上手くいく」「自分ならできる」など、ポジティブな言葉を書いて寝る
これらの習慣には本当に助けられました。
緊張や不安がなくならなくても、「よし!」と心で思いながら、毎朝スクールバスに乗り込み、運転手さんに笑顔で「おはよう!」と声をかけられたのは、習慣のおかげだと思っています。
実際に、笑顔を作ったり、ポジティブな言葉をかける効果は、科学的に証明されています。
緊張や不安を与えるのは自分自身ですが、自分を楽にしてあげられるのもまた、自分自身だけだな、としみじみ思います。
④「課題がしんどい」→「適度な諦めも大事」◎
留学中、課題をこなすのがとにかく大変でした。
当時は「あ~もう終わらない!しんどい!英語ムズ!」としか思っておらず、大きな原因に気づいていませんでした。
- 完璧にしようとする
- マルチタスクが苦手
- ストレスに弱い
全てのHSPに当てはまるとは限りませんが、以上はHSPの特徴としてあげられるものです。
そしてこれらがまさに、私が課題で苦しかった原因です。
①完璧にしようとする
他の人が30分で終わらせるレポートを、3時間はかける。
完璧に仕上げたくて、簡単な内容のレポートでも、色んなことを疑問に思い、調べまくる。
②複数のことを同時にすると大混乱
課題は1つだけでなくたくさんあるのに、1つ1つを全力で取り組んでしまう。
その結果時間がかかり、提出日ギリギリになっても終わっていない。
③ストレスに弱い
課題が難しすぎる、夜12時を回っても一向に進まない、明日朝一で提出・・・などの色んな状況が重なると、パニックになり、どこから何をしていいか分からなくなる。
課題の心配だけでなく、明日の朝起きられるか、起きられたところで、寝不足で頭が痛くならないかの心配までするので、もう不安が溢れ出してしまう。
そんな私は結局どうしていたかというと、「あ~もういい!明日朝早めに起きて、明日の自分に任せよう。頼んだよ、明日の私。」と24時ごろに放棄していました(笑)
最初からそうすればいいのに!どうしても限界まで頑張っちゃうんですよね。
だから、「そういうときは諦めなさい」と言われても難しいかもしれません。私は諦めた次の朝起きて、課題を終わらせられなかったことは、一度もないです。何とかなるから、大丈夫です。
「課題を上手く終わらす」方法
- 興味がある課題は好きなだけ調べる
- 全部を全力でしない
- 難しい場合、先生や友達に助言をもらう
- 諦めも大切。次の課題で頑張ればいい
⑤「1人の時間が取れない」→「素直にそう伝える」◎
常にホストファミリーと一緒にいたり、1人部屋でなかったりすると、HSPでなくても「1人の時間がほしい」と思うことがあると思います。
日本なら、近くに1人で散歩に行ったり、学校帰りにどこかに寄ったり、1人でゆっくりお風呂に浸かり、寝る前に布団の中でスマホを見たり・・・色々できたかもしれませんが、留学となると少し違うことも多いですよね。
1人で出歩くのは危ないし、近くにコンビニやカフェがあるわけでもないので、寄り道もしずらい。湯舟に浸からない家庭がほとんどだし、小さな子どもがいる家庭なんかだと、お世話したりするかもしれない。
週末は家族と買い物に出かけるのが恒例になっていたり、家でも部屋に行くと「心配させるかな」「ノリが悪いと思われるかな」などと気になってしまう人もいるかと思います。
ストレスや我慢が積もってしまう前に、「1人の時間が必要です」と伝える勇気をもっていただきたいです。
「今週は課題が多くて、今日は家にいたいな」
「今日ちょっと疲れてるから、早めに寝るね」
毎週続けば、ホストファミリーは心配したり、寂しくなったりするかもしれませんが、毎回でなければ理解してくれると思うので、疲れているときは無理せず休みましょう。
次の機会を楽しむために、一休みしてエネルギーを補給することはとても大切です。
「1人の時間を確保する」方法
- 早起きをする
- 早めに部屋に行く
- 課題を理由にすれば、大抵のことは回避できる
まとめ「HSPを克服する」→「HSPと一緒に生きる」◎
「考えすぎだよ」「そんなに心配したら苦しくなるよ」「もっと楽しく生きなよ」「気楽にね」
友達から、そんなことをよく言われます。
「考えすぎないで」「頑張りすぎないで」と言うのは簡単。
頭では分かっていても、簡単に変えられないのが気質というものです。変えようとしたら、もっと苦しくなります。
HSPに必要なのは、「HSPをやめること」ではなく、「HSPと上手く付き合おうとすること」だと私は思います。
私がHSPだと知ったのは、2年ほど前のことでした。
「こんな自分じゃダメだ」「変わりたい」「考えるのをやめたい」と思い、色々調べていると、自分にぴったりな気質がヒットしました。
専門家に悩みを相談するために、大学を卒業するまで、学内の相談室を2年間ほど利用していました。
そこでプロの先生方のカウンセリングを受けるなか、よくこんなことを言われました。
「ココさんは本当に色んなことを考えて、苦しくなりますよね。でも、ここまで考えられる人はなかないませんよ。とてもすごいことなんですよ」
「できること、得意なこともココさんにはたくさんあると思いますよ」
最初は、「すごいなんてことない」と思っていましたが、どの先生も褒めてくれるので、段々と「本当にすごいのかも」と思えるようになりました。
同時に、HSPは私自身であり、私の1番の弱みであり、強みでもあると知りました。HSPを消してしまったら、私の良さも消えてしまうのです。
考える力、感じる力があるからこそ、こうやってブログも続けられ、ブログを通して色んな人と出会い、助けたり助けられたりしてきたのです。
私は自分が、考え悩める人間でよかったと思っています。
しんどいことでもありますが、何も感じずに生きる人生より、色んなことと向き合い、自分や周りに正しくあろうとすることは、意味があるものだと思うのです。
私も自分のいいところを育てつつ、改善したい歪みをゆっくり、少しずつ直していきたいと思っています。
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