こんにちは、留学カウンセラー ココです。
お子さんが「留学したい」と言ってきて、様々な疑問や不安を抱えた方がこの記事までたどり着いたのだと思います。
不安な方から、応援したいけど費用の面で困っている方、まずは留学の詳しい制度から知りたい方まで、色んなケースがあると思います。
この記事では、子どもの高校留学を知りたい親御さん向けに、
- 留学制度と制度別の費用
- その他の費用
- 留学奨学金・ローン
- 海外高校生活の安全性
- 留年のメリット・デメリット
- 留学が進学に与える影響
- 留学が就職に与える影響
- 夢を反対された子どもが受ける影響
についてお話ししていきます。
「絶対にダメ!」と留学を否定したり、「全然どうぞ!」と肯定する前に、留学に関する大事なことを知っていただいてから向き合っていただきたいです。ぜひ参考にしていただければと思います。
留学カウンセラーココのプロフィール
11か月のアメリカ留学を経て、学費免除奨学生として私立大に入学。英会話講師のアルバイトやボランティアをしながら、SNS(インスタグラム)にて、100名以上の留学や英語勉強に関する相談を受けてきた。現在は企業にて通訳・翻訳を担当し、海外事業の開拓チームに携わっている。
1. 留学制度と費用
まず留学の仕組みや、初期費用について紹介します。
留学にはいくつかの種類があり、種類によってかかる費用が違います。
①交換留学
- 期間:約1年
- 費用:150万円前後(国・留学会社によって異なる)
- 居住:ホストファミリー
- 特徴:国を選べる。最もメジャーな留学方法
費用がもっとも安く、1番有名で人気の留学方法です。
「交換」と聞くと、海外の高校と生徒を交換させる・・・つまり海外に行く自分の代わりに、外国人留学生が自分の高校にやってくるの?と思う方もいらっしゃいますが、高校留学エージェントを通す場合、そのようなことはありません。あくまで日本と海外間で学生を留学(交換)させるような仕組みです。
交換留学は費用を最も抑えやすい方法ですが、受験時に選択できるのは国だけ。ホストファミリー、留学先の高校などの具体的な地域は選べないのが特徴です。
②私費留学
- 期間:約1年〜
- 費用:交換留学の倍かそれ以上
- 居住:ホストファミリー
- 特徴:選択肢が広がる
留学会社によって選べる範囲が異なりますが、私費留学だと留学先の地域や高校、ホストファミリーが選択できる可能性があります。私の友達はニュージーランドに私費留学で行き、高校をいくつかの選択肢から選べました。
費用は交換留学の倍以上になることが多く、1年間だと300万円〜くらいだと考えておくといいと思います。私費の場合、留学期間延長も比較的しやすい場合があります。
③正規留学
- 期間:3〜4年間
- 費用:ビザ費用・学費・生活費など
- 居住:ホストファミリー/学生寮
- 特徴:海外の高校を卒業できる
正規留学は、日本の高校に所属せず、日本で中学卒業後、海外の高校で入学・卒業する留学方法で、もっとも長く留学できる選択肢です。
基本ホストファミリー制が多いですが、寮制校を選べる場合もあります。ホストファミリーではなく寮で暮らしたいという人には、この方法だと実現しやすいでしょう。
正規留学をするにはエージェントに依頼し、ビザの取得や高校の選択を手伝ってもらうのが1番楽です。しかし期間が長い分、費用は私費留学より高くなると覚悟しておいた方がいいと思います。
知り合いにはエージェントを通さず、海外在住の親戚宅で暮らし、彼らに保護者になってもらうことでとても安い費用で正規留学をした人がいますが、一般的ではありません。
④高校の留学プログラム
- 期間:高校による
- 費用:高校による
- 居住:ホストファミリー
- 特徴:面倒な手続きが少ない
高校によっては交換留学プログラムなどがあり、それを利用する方法もあります。期間や費用などは高校によって様々ですが、半年〜1年間が多く、費用は50〜100万というイメージです。
高校のプログラムだと、用紙を留学会社に送ったり、試験会場に移動したり、1人で書類を完成させたりといった手続きが少ないのが利点と言えます。ただ、プログラムによっては同級生数名と一緒に同じ留学先に行くこともあり、その場合日本人で固まってしまいがちです。
英語を伸ばしたい、留学中は知り合いの日本人とはあまり関わりたくないという方は、高校のプログラム内容や参加者をよく理解して選択することをオススメします。
2. その他の費用
各留学方法にかかる初期費用を先述しましたが、これに含まれる費用、含まれない費用があるため、そちらについても詳しく説明します。
(留学会社によって多少違いがある場合があるため、詳しくはサイト・担当者さん等で確認してください)
初期費用(留学会社/学校に払う費用)に含まれるもの
- 渡航費(航空券)
- 委託料(ホストファミリーを探す、プログラムの準備、ビザの手続きの手伝い、人件費など)
留学会社に払う費用に含まれないもの
- 事前研修費(自宅から研修会場までの交通費、観光費用)
- ワクチン接種費用
- ビザ取得費用
- 荷造り(お菓子やお土産、洋服などの費用)
- 現地での買い物
- 現地高校での費用(パーティーや部活、必要なノートなど。公立高校の場合、学費は無料。私立の場合、留学会社に払う費用に含まれている)
ワクチンは留学国によって必要なものが定められており、国によって費用が変わります。アメリカは摂取項目が多いため、私の場合10万円弱ほどかかりました。
次に高いのはビザ費用。こちらも国によって違いますが、アメリカは留学会社への仲介手数料を含むと5~6万円くらいした記憶があります。
現地での出費は、私の場合旅行を沢山したので20万円ほどかかりましたが、人によってはもっと抑えることができると思います。
あくまでも目安ですが、留学にかかる全費用を合計すると、1年間のアメリカ交換留学の場合、最低170万円前後、程よく遊んだら185~190万円くらいだと考えるといいと思います。
これが大学留学となると、5か月の寮費・渡航費・授業料だけで100万円を当たり前のように超えます。高校留学は、最も安い費用で留学できる方法の1つです。
3. 留学奨学金・ローン
費用が心配という方は、すぐに留学を諦めさせる前に「留学奨学金」「留学ローン」を1度調べていただきたいです。
奨学金には給付型と貸与型があり、給付型だと試験や面接に合格すれば、数10万~100万円の返済不要の奨学金をもらうことができます。
私は面接を経て、市から50万円の給付型奨学金をもらいましたが、合格率は10倍でした。給付型だと多くの応募者がいると予想し、早くから成績対策や面接練習を行うことをおすすめします。
有名な高校留学 給付型奨学金
貸与型奨学金・留学ローンについては知り合いにも利用した人がおらず、私には何の知識もありませんが、ものによって「保護者がローンを払う」か「お子さんが将来払っていく」のどちらかがあるみたいです。経済的な理由で留学が難しい場合も、留学できる制度が整っています。ぜひご検討ください。
「高校留学 奨学金」「高校留学 ローン」などと検索すると、業者のサイト、経験者さんのブログなど多くヒットしますので、興味がある方は調べてみてください。
4. 海外高校生活の安全性
10代のわが子が留学をしたいと言うと、心配になったり、不安になったりするのはごく当たり前だと思います。
日本と海外とは法律が違いますし、高いお金払って留学させて、万が一のことがあれば・・と思うと反対したくなる気持ちも分かります。
しかし、高校留学は子どもを守るための制度が整備されています。
ホストファミリーは保護者の役割を担うわけですから、面接や家庭訪問を受けて、選ばれた家族だけが登録することができます。その際、アメリカだと家庭にある銃がきちんとセーフティーボックスに保管されているかなどもチェックされます。
また、現地留学コーディネーターとの月に1度の面談で、生活について相談する機会があります。万が一ホストと合わない場合、ホストチェンジも現地コーディネーターが対応してくれます。
とは言っても、いくら環境がよくても何が起こるか分からないのが心配ですよね。
私自身、アメリカ留学を決めるにあたり、差別や治安に関して不安な気持ちは大きく、よくネットで調べていました。
交換留学だと国は選べても地域やホストファミリーは選べないし、かなり直前になって決定のお知らせがくることも多いため、ドキドキしながら過ごす学生さんは非常に多いです。
しかし私は思っていました。行ってみないと分からない、と。
日本にいても、いつ事故や事件に巻き込まれてもおかしくない。海外のことは分からないことが多い分不安はあるけれど、それは進学だって就職だって何でも同じです。怖さのせいでしたいことを諦めていては、何もチャレンジさせてあげられませんよね。
お子さんは絶対に無事に帰ってきます、とは誰にも言えませんし、最後に決めるのは費用を払う親御さんです。しかし、送り出す方々は不安な気持ちをぐっとこらえて、お子さんを信じて送り出していらっしゃるのだと思います。
コラム:私の親の場合
私が留学するとき、姉がワーホリを経験したあとだったため、空港でのお別れは比較的冷静でした。もともとかなり放任主義だったので「したいならすれば~?」くらいのノリでしたが、母の後日談だと寂しくて泣いた夜もあったそうです(笑)そりゃあ17歳になったばかりの末っ子を、アメリカに送り出すのは心配だったんだな、と私はそこで知りました。でも、したいことはすればいいという家族の方針には本当に感謝しています。判断を任せられると、「自分でちゃんと勉強して、考えて生活しないと」という使命感も生まれました。
5. 留年のメリット・デメリット
「留学」と「留年」は切っても切れない仲で、必ず話題に上がるテーマです。
全国的に、帰国後には留年が必要になる高校の方が多いです(留学期間を登校日数としてカウントする高校もありますが、どちらかというと珍しいみたいです)。
この「留年」という言葉のネガティブな印象から、引け目を感じて留学に踏み切れない方もいます。
しかし留年には、意外なメリット・デメリットがあります。
留年のメリット
- 大学受験の準備ができる
- 進路について考える時間が取れる
例えば、最も一般的な留学時期である、高校2年生の夏から1年間の海外留学をすると、日本に帰国後は通常であれば3年生の年齢になっていますが、一歳下の2年生のクラスに入ることになります。
これがもし留年しないとなると、3年生の夏からクラスを始めることになりますが、3年の夏といえば、受験勉強真っ盛りの時期です。1年遅れた分の勉強をしながら、1年の復習、3年の予習復習を同時進行でしなくてはなりません。
私はAO入試で進学したので、今でいう「統一テスト」を受ける必要はなく、面接のみの受験でしたが、もしセンターを受けていたら準備不足でボロボロであったに違いありません。
また、留年しなかったことで進路もバタバタと決めないといけませんでした。留学前に気になる大学に目星は付けていましたが、留学を通してやりたいことが変わったり、アメリカの大学に進学したいという気持ちの変化がありました。
しかし8月に帰国、報告書や報告プレゼンをしているとあっという間に9月、10月にはAOの受付が始まる・・・というスケジュールなため、アメリカ進学というビッグな野望に向き合う時間が取れませんでした。
結局日本の大学に進学し、そこで素晴らしい経験を沢山しましたが、もし留年して1年間準備する時間があったなら、今とはきっと違う人生になっていたと思います。
留年のデメリット
- 同級生と卒業できない
留年にはデメリットが沢山あると思っている学生さんは多いのですが、実際は「同級生と卒業できない」の1つだけだと私は思います。
ただ、その1つにいっぱいの悩みが詰まっているなぁ、と思います。一緒に過ごしてきた友達と一緒に、最後の高校生活を送れないことは、人によってはとても辛いと思います。
友達から1年遅れることで留学を迷っていたら、ぜひ留年のメリットも教えてあげると、もっと広い視野で考えることができると思います。
6. 留学が進学に与える影響
ここでは、留学することで進学にどう影響があるかを説明します。
1. 浪人する可能性がある
留学で勉強に遅れを取り受験勉強が十分にできなかった場合、浪人する可能性があります。
2. 国際系・英語系の入試で有利になる
高校留学はする人がそこまで多くないため、面接式の入試などでは沢山アピールできますし、結果(TOEIC・英検・留学中の成績など)があれば評価もしてもらえます。
筆記試験などでも、留学中に英語の基礎を固めておけば、受験勉強が大いに楽になるでしょう。
3. 進学後に周りと差がつけられる
留学中に高いスキルを身に付ければ、進学後も勉強面において非常に有利になります。
大学や専門学校で語学を勉強するより、専門の勉強のために時間を使えます。TOEICやTOEFLなどの国際英語テストで高得点を取れば、授業料の免除や減額制度がある教育機関も多いです。
コラム:私の進学について
私は日本の私立4年大に、英語資格特待生(学費無料)として入学しました。留学直後のTOEICで780点をスコアし特待生になれ、結果的に4年間で大学に支払った費用は、国公立大より安い120万円に収めることができました。
7. 留学が就職に与える影響
少し先の話になってしまいますが、留学経験は就職する際にも役に立ちます。
語学力はもちろん、留学中や留学に向けて取り組んだことがあれば、それをアピールポイントとして話すことができます。
しかし私のように(苦笑)、就活で失敗してしまう例もあるため、上手くしないと日本の就活では留学経験を活かすことができません。
詳しい「留学X就活」については以下の記事にまとめているので、ご一読ください。
cokogogo.hatenablog.com
8. まとめ:夢を反対された子どもが受ける影響
ここまで、親御さんに知ってほしい高校留学について、以下の項目を紹介しました。
- 留学制度と制度別の費用
- その他の費用
- 留学奨学金・ローン
- 海外高校生活の安全性
- 留年のメリット・デメリット
- 留学が進学に与える影響
- 留学が就職に与える影響
さて、最後に「夢や目標を否定された子どもが受ける影響」について少しお話しします。
私は運よく留学・大学生活を経験させてもらい、とても幸運だと思っていますが・・・小6で母に夢の話をしたときの話です。あるビッグな夢について話すと「え、そんなの無理よ」と母に即答されたことがずっと忘れられないでいます。あの日から、自分から夢を話すことが怖くなりました。
今は他に夢ができましたが、もしあのとき否定されなければ、今頃違う道を歩いていたのかもしれません。
12歳の子どもが話す夢と、中高生の子どもが言う高校留学だと、規模も費用も違うので一括りはできませんし、どうしてもやむを得ない事情で叶えてあげられないということもあると思います。
しかし、もしお子さんに強い意志があり、留学をさせてあげられる環境がある場合、ぜひサポートしてあげてほしいです。
離れ離れになっても、応援してくれる家族の存在は、心細いとき、辛いときに大きな励みになりますし、お子さんにとってもかけがえのない経験になるでしょう。
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