こんにちは、ココです。
高校留学とは、高校・ホストファミリー・留学会社の3つで成り立つものですが、その中でもホストファミリーはかなり大きい役割を果たしています。
だって、ほとんど*の場合その1つの家庭に、1年間を通して滞在して、一緒にご飯を食べたり、買い物に行ったり、パーティーを開いたり、旅行に行ったりするわけですからね。
(*留学プログラムによっては、複数のホストファミリーと滞在することもあります。またホストファミリーとの相性が合わないといった理由が会社から認められれば、ホストファミリーを変えることも可能です。)
ホストファミリーが意地悪だった、最高だったという話はよく聞きますが、こちらには決定権がないゆえに、運にかけるしかない部分もあります。
さて、私のホストファミリーですが、タイトルの通り、子どものいない、50代のお金持ち夫婦でした。
ホストファミリーと聞けば、子どもがいて、賑やかで、みんなで食卓を囲んでワイワイ食べる、、、というイメージが私にはありましたが、その想像はことごとく裏切られることになりました。笑
彼らと11ヶ月を過ごして、色んなことを考えさせられたので、ここでシェアしたいと思います。
とにかく家がデカイ
私は一軒家自体行ったことがあまりなかったので、それが衝撃を倍増させたのかもしれませんが、、、、とにかく家が豪邸過ぎました!
個人の所有地なのでネットに晒すのは無理ですが、もう見せてあげたいくらい、とっても大きくて立派なお家でした。
地下を入れて3階建のお家でしたが、もう天井の高いこと。内装は派手派手しいわけではなく、とてもシンプルですがセンスのある感じで、豪邸なのにやけに落ち着くんですよ。
大きなスクリーンが完備されたシアタールーム、ランニングマシなどがあるフィットネスルーム、ビリヤード台、3つのバスルーム、3つのベッドルーム、2つのキッチン、広い庭にはアウトサイドキッチンやエンジン付きのボート、カヌーやカヤックの道具まで、、、もう何でもかんでもあるのです。
いや夫婦2人に、、、、こんなに必要?!?!?!じゃないよね?!これが普通なの?!
という具合に価値観を掻き乱されました。
私は3LDKのマンションで生まれてからずっと育って来たので、本当にそれくらいにおったまげるくらい彼らの家には感動しました。
一体どんな仕事を?!
どうしてこんなにいい家に住んでるんだ、一体何者なのか?!と興奮して色々話を聞くと、、パパが弁護士とのことでした。
弁護士、、、そらお金持ちだわあ〜。パパの書斎を覗かせてもらうと、沢山の賞状が飾られていました。パパはなんと、弁護士を志す前は空軍でパイロットをしていた、超エリートだったのです。ママとは空軍時代に出会って、結婚したんだとか。ステキ。
でも、パパのすごいのはその行動力。30歳くらいになってから法律を学ぶために、NYにある一流のロースクールに通い、沢山お金を借りて学校に長いこと通っていたんだそう。それからすごい倍率の試験を受けて、弁護士になった。税金の専門で、今は医療系の会社に従事しているんだと。
この豪邸も、簡単に手に入れたわけではなく、努力のたまものなわけです。
犬へのお金のかけ方が半端じゃない
ママが病気になり、子どもを授かることのできなかった2人は、犬を飼っていました。ペットと言えど、子どもができずに悲しい思いをしていた彼らにとっては、本当の我が子のような存在で、とっても可愛いがっていたんです。
だから、世の中の母親や父親が子どものためにたくさんのお金を払うように、、、、いや、それ以上(?)にお金をかけてお世話をしていたことが時に衝撃でした!
衝撃① ワンちゃんのためだけに、ランニングマシンを購入
ホストファミリーの犬は、沢山運動をする犬種でした。でも、彼らが住むミネソタは冬がとても長く厳しい寒さが続くので、散歩も毎日長時間というわけにもいきません。
そこでなんと、ワンのためだけにランニングマシンが2つも設備されていました。
家にランニングマシンがある時点でやばいのに、それがしかもペットのためって、、、と絶句します。
衝撃② 何十万円もするトレーニングに通わせる
そのワンは、とっても元気な子でしたが、結構やんちゃで言うことを聞かないワンでした。
私の日本から持ってきたスリッパがもう大好きで、何回も取られてチューチューしようとしてたし、私がクリスマスプレゼントにもらった馬のぬいぐるみ(いい歳して何をもらってんだ)のタテガミが、気づいたら全部私の部屋の床に落ちてたり。
で、やめなさいって言ってもなかなか聞かない。離さない。他には、みんなで映画見ている目の前で、急にマットレス目掛けてオシッコしだしたりね。すぐご飯の盗み食いを図っては失敗して怒られるし。可愛いから許す。
とにかく問題児なので、私のホストペアレンツは犬専用のトレーニングスクールに通わせることに。
しかもそれが10万単位だったんですよね〜、聞くつもりなかってんけど、説明されてる時にちゃんと聞き取れちゃいました。(ウソ。聞く気満々でした〜)
で、2週間後に無事にスクールで再開したら、やっぱりちゃんと並んで歩いてくれないし、すぐ吠えるし、効果はあまりなかったっぽいです。可愛いから許すけど。
衝撃③ サロンが私のカット代より高い
これはただ単に私の美容室代(1100円)が安すぎるという問題ですね。でも、犬に負けました。屈辱。
こんな感じに、ワンへの愛がものすごいんです。お2人を楽しませてくれていて、微笑ましかったけどね。お金持ちはやることが違うなあと、終始びっくりされられっぱなしでした。
家の手入れへの熱が凄い
こんな大きい家の中で、フッサフサのワンがと長い髪の私が走り回っているので、ホコリや私のなっがいくっろい髪の毛が気づいたら隅っこの方に溜まっていく(ごめんなさい)。
しかもママは超綺麗付きで、自分のことを「ホコリの狂者」と言うほどホコリが大っ嫌い。私もなるべく掃除機(もちろんダイソンのいいやつ)をかけるようにしていましたが、途中から掃除専門の家政婦さんを雇うようになってしまいました。
また、庭の手入れにもたまにはバイトを雇って、雑草を取ってもらったりもしていました。
どれくらいお金を払ったかは分かりませんが、問題の解決もお金でキチッとスパッとしていて、さすが〜と思いました。
旅行にめちゃくちゃ連れて行ってくれる
言うのを忘れていましたが、私とホストファミリーは相性がよく合い、1年間を通して大したトラブルもなく、とっても楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがたいことです。世界一のホストファミリーです。
普段からもとっても気にかけてくれてよくしてくれていて、いいレストランでご馳走になったりすることがよくあったのに、その上に、、、なんと、色んな所に旅行まで連れて行ってくれたんです、、、!
まず車でミネソタを見せて回ってくれて、そしてシカゴ、ボストン、オハイオ、フロリダのディズニーワールド、最後は夢にまで見たカリフォルニアと、素晴らしい旅行を沢山計画してくれました。号泣
私に大したお金もないのは知っていて、「飛行機代だけでいいから、ホテルや食事は心配しないで」とまで言ってくれました。また、子どもがいなくて寂しい思いをさせてると思っていたらしく、旅行に友達を1人連れてきてもいいと言って、ディズニーやカリフォルニアは親友も一緒に旅行することができました。
確かに、パパはいつも書斎で仕事してばっかりだし、ママも仕事で朝が早いので、夜はすぐ寝ちゃうし、寂しくてホームシックにしばらくなっていました。でも、それは私に友達が少ないのが原因で、悪いのは自分だと思っていたので、彼らが気にかけてくれたことが本当に嬉しかった。
実際、友達がおらず宿題ばかりしていた頃は、いつも一緒に映画を見たり、散歩に行こうよ、一緒にご飯作ろうよって言ってくれたりして、本当に色んな面で支えてくれました。それに加えて旅行なんて、、こんなに色んな州を見て回っていたのも、周りに私だけでした。ラッキーなヤツです。
しかーし。彼らと生活を共にして学んだ教訓もある
2人と1匹のことが本当に心から大好きだし、大いに尊敬もしています。そして彼らと過ごしたから「気をつけよう」と思うこともありました。
どういうことかと言うと、2人は「幸せそうじゃなかった」んです。
もちろん、2人で楽しく会話しているところも沢山見たし、キスしているところも見てしまった(見たかっただけ。ガキか)こともあったし、ママがパパの頭のよさから来るハイレベルなジョークを上手く交わす感じを見るのも大好きでした(うまく説明できん)。
パパはとにかくエリートでお堅いって感じで、ママは陽気な性格で声がとにかくデカイって感じでね、可愛いんですよ、やりとりが。
お金もあって、キャリアもあって、可愛い可愛いワンもいて、綺麗なお家があって、そこには足りないものなんてなくって、、、それなのに、幸せそうじゃなかったんです。
まず、パパの仕事量がむごかった。7時前には家を出て、家に帰るのは9時頃。それからゆっくりご飯を食べる暇もなく挨拶もHeyってな感じでさっと済ませて、11時過ぎくらいまで書斎でずっと作業して、、、。毎日というわけではなくて、たまにはみんなで映画を見ることもあったけど、そういう生活がほとんどでした。
大きな医療系の会社の、税金の専門家という仕事柄、タスクも沢山あるんでしょうね。責任感ある仕事を任されていて、計算等の数字のミスは許されない。そんなストレスフルな環境のせいで、ママに構う余裕もなく、素っ気ない態度を取ることが多かったです。
ママもママで、仕事先が女ばかりで女特有のドロドロが多く、「あーもー勘弁してよって感じ!」っていつも笑ってたけど、色々悩みはあり。でもそれ以上に、常に「彼は働きすぎよ。転職して欲しいって言ってるんだけどねえ」とこぼすなど、パパに対して不満もあったみたいです。
2つめの問題は、家がデカすぎる。モノが多すぎる。ママはいつも掃除掃除って言ってたし、庭の全長7メートルくらいあるボートや、芝の手入れなど、とにかく常にすることが山ほどありました。パパの貴重な休みは、家周りの肉体労働に費やされ、作業が終わった頃はぐったりしていることが多かったですね。
最後は、ワンはめっちゃ可愛いけど、本当しつけが大変そう。誰かがお家に訪ねてくる度に吠えて吠えて吠えまくって。さっきも言ったように、いたずらばっかりのトラブルメーカー。可愛いんですけどね。
この、①多すぎる仕事量 ②広すぎて手入れのかかる家 ③問題児🐶 の3つのカオスから、私はこのような「将来の約束事」を決めるようになりました。
お金を沢山稼いでいるパパでしたが、完全に仕事中心の生活を送っているのを目の当たりにして、「仕事中毒(ワーカホリック)には絶対にならない!」と決めました。
仕事中毒というよりも、「仕事中心の人生は送りたくない」という気持ち、と言った方が正しいかな。
お金はもちろん必要だし、お金は色んな良いものをもたらしてくれるもの。だけど、仕事ばっかりで趣味などを楽しむ余裕もなければ、幸せは感じられない。
私は自分や自分の大切な人が幸せになるように生きていきたい、、そういうことを、パパとママを見ていて思うようになりました。
パパも一生懸命に働いていただろうし、お金が欲しくて頑張っていたんだと思います。そこまでコミットできる姿勢はすごいと思ったし、世の中のお父さんたちは家族のために頑張ったり、すごいと思います。
でも、自分の幸せや健康を削ってまで働く人生を、私は送りたくない。と強く思ったという話です。
私はバイト以外したことないし、養わなければならない家族もいません。だから世の中舐めてるのかもしれません。でも、17歳で自分の生きたい生き方を確立させることができたのは、いいことだったと思っています。
本当に必要なモノだけを所有する
ホストファミリーのもとで、贅沢な暮らしを経験して思ったことの1つに「欲しがらず、あるものに感謝しながら生きていこう」というのがあります。
大きい家も、沢山の便利な電化製品も、「暮らしをもっと豊かにしたい」という気持ちで購入するものだと思います。裕福なお家では普通に起こることだと思います。そのことを批判するつもりはさらさらないし、裕福でもない自分自身にもそういう意識はあるはずです。
でも、私は「もっと、もっと」と欲しがらないようにしたいと思うようになりました。
便利なものは生活を楽にしてくれると思っていましたが、モノが増える分、手入れするものも増える。壊れるものも増える。そんなの掃除すればいい、直せばいい話ですが、実際に家庭や仕事があって、色んなするべきことがある上に、あまり沢山のモノに囲まれていては、もっとストレスになる気がするのです。
1トンはするであろう自家用のボートを、冬が来る前に庭に上げて、春が来て水が溶けたらまた水際までもって何時間もかけて運ぶ。
広い庭を綺麗に保つために草刈り機を頻繁に動かして、壊れたら修理に出す。
大きな窓を拭くために業者を呼ぶ。
アウトサイドキッチンを作るために契約したけど、話し合い通りに進まず大工さん達とモメまくる、、、。
1つ1つは小さなことのような気がするけど、そういうのが私がいた11ヶ月の間に沢山起こったんです。それを私は部外者として見ていて、「ああ、、、、大変そう!!」って思っただけなんですけど笑
でも、そういう頻繁に起こるモノに関するタスクが、彼らの幸せの邪魔をしていたように感じたんですよね。
だから私はミニマリストになる勢いで、物欲とかがほぼなくなり、自分の持ち物を含む環境全体に感謝するようになりました。
もちろんたまに忘れて、「もう!何で田舎はもう不便なん?!バス1時間に1本て、舐めてる?!」って怒ったりもしますけどね。(現在、大学のために実家を離れて田舎で生活しているのです)
昔は、ブランド物への憧れもあったし、欲しい化粧品も沢山あった気がします。
が、この留学から帰って来てからは本当に欲しいものがなくなりました。強いて言えば食べ物くらいです、欲しいのは。物欲がなさすぎて、おばあちゃんから怒られる始末です。
(おばあちゃんって何でこう、プレゼントしたがるんかねえ。)
これから大人になって、家庭を持つようになって、お金が入ってくるようになっても、「今あるものに感謝する」「モノを大切に使う」という気持ちは忘れないようにします。
無責任にペットを飼わない
ホストファミリーが無責任だったとはいいません。でも、彼らのペットにまつわる悲しいことがありました。
私がまだアメリカに来たばかりの頃、彼らはワンだけじゃなくニャンもいたんです。
グレーのオス猫で、いつも隠れてばかりであまりお目にかけたことがなかったけど、綺麗なオス猫でした。そのニャンがいつも逃げ回って、常に怖がっている様子なので、ママにどうしたのか聞いてみると、ワンが去年に家族になってから、彼のことをずっと怯えているらしい。ワンに対抗しようとおしっこをかけたりして大変だったそうです。
ネコちゃんは10年くらい飼っていたペットで、人懐っこかったみたいですが、ワンが来てから変わったんだと。相性が合わなかったんでしょう。
で、彼らはそのオス猫を里親に出すことを決めました。
私も、お別れをする時に一緒に施設にいました。私には顔も見せてくれなかったニャンだけど、その場にいるのはとっても辛かった。言っちゃえば捨てられるんだから。ママと一緒に泣きながら帰ったのを覚えています。
でも、悲しい気持ちと同時に、長年連れ添ったネコちゃんより、新しいワンちゃんを選んだことに対してなんかモヤモヤしてしまった。
2人の生活に支障が出るくらい相性が合わなかったので、彼らの選択も尊重するけど、なんだかなぁ。人間は自分勝手だなぁと思いました。もちろん2人とも沢山悩んで決断していたようですがね。なんかやるせないというか。
私は部外者だし、ホストされているだけの立場だからとやかく言うべきじゃないですが、少なくとも自分はこういうことはないようにしようと思いましたね。
つまり、「生き物を飼った時は、責任を持って最後まで可愛がってあげる」ということを心に留めておこうと思ったのです。
新しいペットが突然来て、そして他の家族のところで幸せになってねなんて思われて急に家からいなくなるんだからね。
ニャン本人(本猫?)は気にもしてなくて、新しい家族のところで快適に過ごしているかもしれないけど、、、。もし里親が見つからなかったら、どうなるんだろう?
家族としてペットを受け入れる時、そして新しい違うペットを向かい入れる時はちゃんと責任感持とう。そう思いました。
まとめ:ホストファミリーから沢山のことを学んだ!
お金持ちで、とっても親切で楽しいホストファミリーと一緒に1年間を過ごせたことを、今でも良かったなぁと思います。
家の中では、ルールも少なく、ちゃんと自分の身の回りのことをしていればいつも「手がかからないから楽よ〜」と言ってくれていました。
私のしたいことをいつも尊重してくれて、夢を叶えてくれて、、私にとって最高のホストファミリーでした。
そんな素晴らしい彼らとの生活は、日本での生活とは全く違うので、本当に沢山のことを考えさせられました。
努力家のパパからは、自分を信じて、未来のために自分に投資することは大切なことだと教わったし、明るいママからは人と笑顔で接し、思いやりを持つことの大切さを教わりました。
色々衝撃に思ったこともあったけど、それも自分の将来に生かそうと思わせるくらい、私に沢山の刺激を与えてくれました。
世の中には色んなホストファミリーがいて、当たり外れがあることも事実です。でも、常に彼らから学ぼうとすれば、どんな家庭にいても、何か大切な発見があるはずだと私は思います。