留学には友達が大切、という話をしてきましたが、
さて今回は、いかにして友達を増やすことができたのかについてです。ある出来事を通して、私は変わりました。
ココがアメリカに来たのが2016年の8月末。学校始めが9月で、12月までの4ヶ月、友達は片手が埋まらないくらいでした。
(廊下や授業で会えば話す "知り合い" は、留学生を含め10人くらいはいたかと思います。実際遊びに出かけたりする "友達" は、タイ人とアメリカ人2人くらい)
この、タイ人の女の子Dちゃんは、私にとってとても大切な存在でしたし、今もそうです。
そして彼女が私を変えたきっかけになりました。
Dは、私より一歳年上でした。
お互いのホストマザーが同じ職場の同僚で、親友だったんです。
そのため渡米前から、私のマムとのメールのやり取りを通して、Dのことは聞いていたんです。
彼女の英語のレベルは、はっきり言って、悪かった。
聞き取りは良くできる子でした。
でも、
- 話すのが苦手
- すっごくシャイ
- 強いアクセント
のため、彼女と会話するのは簡単ではありませんでしたね。
それでも、お互いの国に対しての興味が強く、Dは日本に来たことがあったり、私はタイ料理が大好きだったり、盛り上がることが多かったです。
盛り上がるって言っても、ワーワー言ってるのは私だけです。
Dは、ニコニコしてうなずいたり、ゆーっくり話したりして、話してるのは私ばっかりでした。
しかし、それが私にとってすごく意味のあることでした。
私のつたない英語での会話なんて、聞いてくれる子なんていない。って私は思っていたので (実際は思い込みだったんだけど。英語がヘタでも、表情やジェスチャーで個性がたくさん出せる人はみんなから好かれるんです)、英語を話して、それを聞いてくれる存在がいるってことは、心のよりどころになりました。
私たちはすぐに仲良しになりましたね。
学校であるパーティにもいっしょに行ったり、お泊まりもたくさんしたし、12月31日も、彼女、彼女のホストファミリーと一緒にボーリング場でカウントダウンしたり。
夜遅くまで映画見たり、"君の名は" を一緒に見たのも彼女でした。
広い学校、違う時間割のせいで、学校ではなかなか会えなかった。
お互い友達も多くないし、2人でいるときが心休まる時でした。
でも彼女の抱える問題は私以上でした。
私は友達が少ないくらいで、宿題や授業はもちろん大変だけど、成績は悪くなかったんです。
日本や家族を恋しいと思っていたけど、誰にも電話しなかったし、ラインも消していた。
不器用ながらに、アメリカの生活に慣れようとは努力していたんです。
彼女は授業についていけてなかった。
とってもシャイで、人と話そうとせずに、いつもスマホでタイ語で何か打ってた。
図書館で、私がせっせと課題をしたり、課題の本を読んでる隣で、いつも家族とラインしてました。
必要な課題は全部ちゃんとしてるみたいだったけど、ホームシックと英語力のせいで、対人関係で大きな問題があったんです。
何回か彼女にはアドバイスしましたが、泣き出してしまったり。
同じ数少ないアジア人で、英語で苦しんでいる同士だったので、気持ちは分かっていました。
そうして彼女がタイに強制帰国させられたのが、2017年の1月。
彼女とホストファミリーは、引き続きステイするために留学会社に何度も話をしていたのですが、タイの会社が決めてしまい、どうしようもなかったみたいです。
Dが帰るかもしれないという話が出てきてからでした。
なんとかしなきゃと強く思い始めたのは。
このままだと1人になってしまうと思ったんです。
彼女のことは大好きだったけれど、彼女の気持ちは分かるけど、努力しようとしない姿勢にもイライラしていた頃だし、他のヨーロッパからの留学生2人と一緒にいるようになりました。
Dが1番辛いときに、あまり一緒にいてあげられなかったので少し私も辛かったです。
でも同情してばっかりで、彼女と同じポジションにいたくなかった。
これ以上、彼女との空間というぬるま湯に浸かっていては、自分の成長を妨げてしまうとも思いました。
それからは、友達がどんどん増えてきました。
そのヨーロッパの2人(MとJ)は友達が多く、そこからの紹介で友達の輪が広がっていきました。
Mとスキークラブにも入って、今まで縁のなかった男の子達とも仲良くなって。
それが12月のことです。
もちろん最初は苦労しました。
初めて聞くスラングばかりで、「えっ?それどういう意味?」。
会話の展開、スピードも早く、なかなかグループトークはついていけず、、、。
MとJがきちんと話せているので、話題が私の方に回って来ると、英語力の違いがはっきり分かるんです。
すると緊張しちゃって、上手く話せなくて。
それでも少しずつ、地味な日本人留学生から、殻を破ることができました。
逆に下手な英語や、理解力の低さで笑いを取ったり。
「え、、、何が可笑しいの?」というココにもウケるという始末。笑
ずーっと英語が下手と思われたくなくて、殻の中に閉じこもっていましたが、
そんな風に未熟で、不器用な私を好いてくれる人達がいたんです。
そんな優しい人たちのお陰で、ココはだんだん自信をつけていきました。
”英語が下手でもいいんだ“
”ミスなんて気にする人がもしいるとしたら、それは自分だけなんだ“
そんな当たり前のことを、留学開始から5ヶ月ほどかけてやっと思えるようになった。
つまりは英語が下手でも、笑顔でいること、人と話すことが当たり前になったんです。
自信がある人、明るい人って自然と人を引き寄せるんです。
Dちゃんとは、お互い英語を勉強し続け、いつかもっとお互いのことを知れるように頑張ろう、絶対にまた会おうと約束をし、彼女が去る日にはMと家まで行って見送りしました。
彼女に何もしてやれなかったこと、放っておいてしまったことに罪悪感を感じつつ、新しい生活が始まりました。
実はここからが本当の戦いでした。
留学生活って、全てが完璧に行くことなんてないんです。
この続きはまたいつか、、、、。